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低濃度PCB廃棄物の処理期限が過ぎたらどうなる?罰則や処分の流れを解説

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低濃度PCB廃棄物を保管している事業者は決められた期限までに適切に処理しなければなりません。

事業者の皆様の中には「期限を過ぎたらどうなるのか」「本当はいつまでに処分しなければならないのか」といった不安や疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

本記事ではそうした低濃度PCB廃棄物の処理期限に関する疑問にお答えし、期限を過ぎた場合の影響について詳しく解説します。

処分の期限やペナルティが心配な方はぜひ参考にしてください。

いつまで?低濃度PCB廃棄物の処理期限

オオノ開發株式会社場内

PCB廃棄物は人体や環境に対して有害なポリ塩化ビフェニルという物質を含む廃棄物です。そのため、PCB廃棄物の処理は法律で厳しく定められています。

PCB廃棄物の処理に関する法律が「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB特別措置法)」です。PCBによる環境汚染を防ぎ、人々の健康を守るために、この法律では管理基準処理基準届出義務などが定められています。

低濃度PCB廃棄物の処理期限は2027年3月31日までとされており、期限内の処理が欠かせません。

低濃度PCB廃棄物の処理期限が過ぎたらどうなる?

測定

上記でも記載したように低濃度PCB廃棄物の処理期限は2027年3月31日までです。

期限内に低濃度PCB廃棄物の処理を行わなかった場合、環境大臣や都道府県知事から改善命令が出される可能性があります。

このときに改善命令に従わなかったり、そもそも届け出を行わなかったりした場合、罰則の対象にもなりかねません。PCB特別措置法の第31条、32条、33条に基づき、3年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはその両方が科せられる可能性があります。

また処理期限を過ぎると、低濃度PCB廃棄物は処分できなくなり、事業者が半永久的に保管しなければなりません。このようなリスクを避けるためにも低濃度PCB廃棄物を所有する事業者は、期限内に確実な処理をすることが重要です。

低濃度PCB廃棄物の処理期限が延長する可能性はある?

カレンダー

2024年9月現在、低濃度PCB廃棄物の処理期限は残り3年を切っています。これまでの処理の進捗状況、新たな処理技術の開発状況、関係業界からの要望などを考慮し、環境省が処理期限延長の判断をする可能性もゼロではありません。

しかし、延長されることを期待して処理を先延ばしにするのは危険です。

処理期限が変わらなかった場合、結局処理できずに手元に残ってしまったということにもなりかねません。また、処理期限目前になると依頼する事業者も多くなることが予想でき、受け入れ先がなかなか見つからないということも考えられます。

低濃度PCB廃棄物を所有する事業者は、期限が延長されることを期待して先延ばしにするのではなく、適切な処分のために今すべきことを確認しましょう

オオノ開發PCB建屋外観

オオノ開發株式会社では、PCB廃棄物を適切かつ迅速に処分できるよう、日本最大規模の処理施設を建設しました。

「低濃度PCB廃棄物の処分のプロセスがよくわからない」という方も、まずはお電話かお問い合わせフォームからお問い合わせください。低濃度PCB廃棄物の分析から、処分の完了まで、ワンストップシステムで処理計画を提案します。

PCB廃棄物とは

PCB

PCB廃棄物とは、PCB(ポリ塩化ビフェニル)という有害な化学物質が含まれている廃棄物のことです。PCBはかつて電気機器の絶縁油や熱媒体として広く使用されていましたが、人体や環境への悪影響が明らかになり、現在は製造や使用が禁止されるようになりました。PCB廃棄物は、PCBの含有量により「高濃度PCB廃棄物」と「低濃度PCB廃棄物」に分類されます。ここからはPCB廃棄物について解説します。

①高濃度PCB廃棄物

高濃度PCB廃棄物は、PCBの含有量が0.5%を超えるものを指します。製造時にPCBを意図的に使用した製品が該当し、高圧変圧器コンデンサ安定器などが代表的です。

PCBを使用した製品の製造は1972年に禁止されています。そのため、1972年以降に製造された機器には高濃度PCB廃棄物に該当するものはありません。

高濃度PCB廃棄物の処理期限はすでに終了

高濃度PCB廃棄物の処理期限は2023年3月31日までで、すでに終了しています。高濃度PCB廃棄物の処理施設は決められており、国が設立した中間貯蔵・環境安全事業(株)(JESCO)で行われてきました。

全国5つあるJESCOの処理施設のうち、愛知県、大阪府、福岡県の施設はすでに処分業の廃止届出が提出されています。残りの2つ、東京都と北海道の処理施設も2026年3月末までに順次操業を終える予定です。

②低濃度PCB廃棄物

低濃度PCB廃棄物は、PCBの含有量が0.00005%(=0.5mg/kg)より高く0.5%以下となる廃棄物を指します。

高濃度PCB廃棄物とは異なり、PCBを意図して使用したわけではなく汚染によってPCBを含有してしまったものがほとんどです。低濃度PCB廃棄物は、OFケーブル汚泥感圧複写紙(ノーカーボン紙)などがあげられます。

低濃度PCB廃棄物は、高濃度PCB廃棄物に比べてPCBの濃度が低いものの、環境や人体に悪影響を与える可能性がある廃棄物です。低濃度PCB廃棄物を所有している事業者は、適切な処理を行うことが求められます。環境大臣による無害化処理認定を受けている低濃度PCB廃棄物の処理施設へ、処理を依頼しましょう

低濃度PCB廃棄物の種類や適切な処理方法について詳しく知りたい方は下記の記事もご覧ください。

PCB汚染物とは?種類や適切な処理方法を徹底解説!低濃度PCB廃棄物処分の注意点も

低濃度PCB廃棄物の処理期限に関するよくある質問

よくある質問

低濃度PCB廃棄物の処理期限が迫る中、まだまだ処理に関して疑問がある方もいるでしょう。そこでここからは、低濃度PCB廃棄物の処理期限に関するよくある質問にお答えします。

PCBの処理は義務ですか?

PCBの処理は法律で義務付けられています。PCB廃棄物は環境や人体に非常に有害であることから「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」により、管理基準処理基準が厳しく定められています。

また、低濃度PCB廃棄物の処理期限は2027年3月31日まで。この期限までに適切に処理を行う必要があります。期限内の処理がされなかった場合、半永久的に保管を行うことになりかねません。処理が適切でなかった場合は、罰則の対象となります。

低濃度PCBは特別管理産業廃棄物ですか?

低濃度PCBは特別管理産業廃棄物に該当します。特別管理産業廃棄物とは、環境汚染の恐れや人体に悪影響を及ぼす可能性があったり、発火・爆発の可能性があるなど、廃棄物の中でも非常に危険なものです。そのため、保管運搬処分委託において厳しい基準が設けられています。

廃棄物処理法に基づき、PCB(ポリ塩化ビフェニル)はその含有量にかかわらず、特別管理産業廃棄物として厳しく管理しなければなりません。

低濃度PCB廃棄物の保管方法は?

低濃度PCB廃棄物の保管は、廃棄物処理法の「特別管理産業廃棄物保管基準」により⾶散流出地下浸透悪臭発⽣の防⽌などが義務付けられています。具体的には下記のような内容です。

・保管場所の周辺に囲いを設ける

・見やすい箇所に特別管理産業廃棄物の保管場所である旨などを表示した掲示板を設置

・PCB廃棄物の飛散・流出・地下浸透・悪臭発生の防止のための措置

・保管場所に害虫が発生しないようにすること

・PCB廃棄物に仕切りを設ける等必要な措置(混入防止)

・PCBの揮発防止及びPCB廃棄物が高温にさらされないために必要な措置

・PCB廃棄物の腐食の防止のために必要な措置

上記の基準や規定は一部です。詳しい特別管理産業廃棄物の処理基準の概要は環境省のサイトもご確認ください。

低濃度PCB使用機器及び廃棄物の保管(環境省)

不明点がある場合は、事業場の所在する自治体へ問い合わせるようにしましょう。

低濃度PCB廃棄物は処理期限前に適切な処理を

作業員の様子

低濃度PCB廃棄物の処理期限は2027年3月31日までです。

処理期限内に低濃度PCB廃棄物の処理を行わなかった場合、環境大臣や都道府県知事から改善命令が出される可能性があります。改善命令に従わなかった場合、罰則が生じる可能性も。また廃棄できなかった低濃度PCB廃棄物は、所有する事業者が半永久的に保管する可能性がある、というリスクも考えなければなりません。

低濃度PCB廃棄物の処理期限までまだ少し猶予はありますが、処理期限が迫るにつれて、廃棄物処理業者の確保が困難になったり、処理費用が上昇したりする可能性も否めません。低濃度PCB廃棄物を所有する事業者は早めの対策が重要です。

オオノ開發株式会社は環境大臣認定を取得し、日本最大規模の保管・処理施設を有する廃棄物処理会社です。分析から処分完了までの全工程をワンストップシステムでサポートするため、スムーズかつ効率的な処理ができます。

経験豊富な専門家がPCB廃棄物の処理に関する疑問や手続きについてもお答えできるため、処理に関する知識が無くても安心です。

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